team ONECommunity Intelligence — for local welfare
Supply–Demand Re-allocation ・ Care & Medical

需給は足りていないのではなく、ずれている。

過疎地では「入居者も担い手も薄いのに、施設だけが空いて撤退する」。都市では「人も需要もあるのに、入る施設が無く待たされる」。介護も医療も、総量の問題ではなく配置のミスマッチ小規模分散の問題です。team ONE でスクリーニングした地域を、連携推進法人で束ね、地域を跨いで需給を補正する——その現在地・仕組み・未来絵図を、数字で示します。数値は公的統計に基づく引用と、明示した独自推計・仮説モデルです。

2027年6月 時点 / 当社マクロ推計
現在地 ― 当社マクロ推計(2027年6月時点)

需要は伸び、供給は割れ、担い手は減る

数字は当社の独自マクロ推計(2027年6月時点)。要介護の需要はまだ増える一方、担い手は縮み、施設の総量はあるのに稼働と存続が地域でばらける。同じ国の中で、指標は逆方向に動いている。

3,680万人
高齢者(65歳以上)。高齢化率30.3%。2040年ごろまで需要は伸び続ける見込み。
当社マクロ推計 2027.6
714万人
要介護・要支援 認定者。うち要介護3以上 251万要介護2以下・要支援 463万。重い層に施設が集中し、軽い層があふれる。
当社マクロ推計 2027.6
22.6万所
介護事業所(病院7,915・診療所103,057を併走)。総量は足りている。問題は置き場所と担い手。
当社マクロ推計 2027.6
5,873万人
労働人口。担い手側は縮小局面。介護は他産業との賃金差で採用が劣勢、離職が採用を上回る局面が続く。
当社マクロ推計 2027.6

読み筋:需要(要介護714万)は行政が介護保険で支えるため景気に左右されにくく、へき地でも消えない。だが担い手(労働人口5,873万)は縮み、施設の総量(22.6万所)はあっても稼働と存続が地域で割れる。地方は利用者減で低稼働・撤退、都市は逼迫。総量ではなく配置の問題——ここを連結で束ねて均す。

構造 ― なぜアンフェアになるのか

負担額と選別が、住む場所でケアを変える

都市と地方の本質的な違いは、利用者が負担する金額だ。土地・建物コストが単価に乗り、単価が「誰を受け入れるか」を選別する。制度は同じでも、どこに住み、要介護度がいくつかでアクセスが変わってしまう。

都市部の力学

高コスト → 高単価 → 重度の選別

都心は地価・建物コストが高く、単価を上げなければ成り立たない。だから客単価を上げるために、要介護3以上や難病・医療依存度の高い層を選んで集客する(有料・サ高住・住宅型)。重度は受け皿が用意される一方、単価に見合わない層は入り口で外れる

単価を押し上げる要因 地価・建物・人件費集客の的 要介護3以上・医療的ケア
こぼれる層

軽い=困っていない、ではない

要介護2以下・要支援でも、独居・認知症初期・住環境などで自宅生活が困難な人は463万規模いる。だが特養は原則要介護3以上、都市の高単価施設は重度志向——軽度で在宅困難な層は制度の谷に落ちる。地方には低単価の受け皿があり得るが、撤退・低稼働で先に消えていく。

谷に落ちる層 要介護2以下・要支援で在宅困難規模 当社推計 約463万人

アンフェアの正体:都心の高コストは仕方がない。しかしその必然が「単価に合う重度」を選び、「単価に合わない軽度・在宅困難」と「低単価しか出せない地方」を同時に取りこぼす。住む場所と要介護度で、受けられるケアが変わる——これは制度の欠陥ではなく、コストと単価のバランスが生む不公平だ。

同じ保険料を払っても、住所と要介護度で入れる場所が違う。

連結法人による是正:地価と単価のミスマッチを、地域を跨いで均す。都市の重度・医療依存は都市の資源で受け、軽度・在宅困難な層は地方の低単価キャパや小規模多機能・在宅サービスで受ける。単価の高い都市に全員を集めず、負担と受け皿を要介護度と地価で最適配分する。連結内の資金融通で、低単価でも成り立つ受け皿を残す。
検証 ― 見立てを補正する

過疎地に施設はあるのか。都市に空きはあるのか。

当初の直感を当社マクロに当てると、半分は当たり、半分はずれる。そのズレ方こそが、連結で補える余地になる。

過疎地・へき地

施設は「ある」。だが動かせていない。

見立て:入居者も人材もいない。そもそも供給できる施設があるのか?

補正:施設はある(全国22.6万所)。ただし担い手不足と利用者減で稼働が落ち、撤退が始まっている。低単価ゆえ利益が薄く、小規模から先に消える。地方は待機が薄く、"空き施設"が生まれる。

状態 低稼働・撤退弱点 小規模・低単価
都市部・関東

人はいる。だが「入れる場所」が足りない。

見立て:人材も入居者もいるが、施設が多すぎて空きがあるのでは?

補正:都市はベッドが需要を上回り、事業者が入居者を取り合う(特に民間の高単価枠)。だから客単価の取れる要介護3以上・医療依存を選別集客し、単価に合わない軽度・在宅困難層には空きが無い。一方で低単価の公的枠は不足=価格帯でねじれている。

状態 供給過剰・取り合い・選別 軽度・在宅困難・低所得

問題は総量ではなく、置き場所束ね方

需給バランススコア

逆向きに傾いた二つの地域を、中央で補正する

向きは正反対だ。都市はベッド供給が需要を上回って取り合い(作りすぎ+高単価で重度を選別)、過疎地は担い手・人口減で実効供給が縮み、要介護者はいるのに回せず撤退。連結法人は、都市の余剰と過疎地の遊休・潜在需要を結び直し、両方を中央へ寄せる。数字は均衡=100の指数(当社推計)。「20年前・現状・連結補正後」で切り替わる。

需要 × 供給の傾き(均衡=100)

過疎地・へき地
要介護者はいるのに、担い手・人口減で実効供給(回せるベッド)が縮み撤退—潜在需要>実効供給に傾く。
均衡100
都市部・関東
ベッド供給が需要を上回り、事業者が入居者を取り合う—供給>需要(供給過剰・選別)に傾く。
均衡100
需要(要介護・潜在)供給(施設ベッド・実効)

仕組み ― 連結法人(社会福祉連携推進法人)

個々の小さな法人を、束ねて動かす

2022年施行の新しい器。社会福祉法人などが社員となり、法人格を保ったまま連携する。制度はまだ全国で数十法人規模=先行して束ねる余地が大きい。倒産の8割超が従業員10人未満—"分散"こそが弱点で、束ねることが最初の処方になる。

過疎地が出せるもの

  • 空いた施設・低稼働の定員(受け皿)
  • 用地・建物(都市の待機の受け入れ拠点に転換)
  • 承継先を探す小規模法人(束ねる母数)
連結法人
人材・入居・資金・購買を
地域を跨いで再配分
◀ 需要を送る/資源を返す ▶

都市が出せるもの

  • 待機需要(あふれた入居希望)
  • 人材の母数・採用力・研修機能
  • 集客・営業・DXのノウハウ
連携業務 01

人材の融通・共同採用

法人間の出向・共同求人・外国人材の共同受入で、単独では埋まらない欠員を束ねて確保。採用単価を分散から集約へ。

連携業務 02

入居の広域マッチング

都市の待機を、地方の空き定員+家族支援・広域搬送で受ける。稼働を上げつつ待機を減らす両取り。

連携業務 03

社員間の資金貸付

倒産主因の資金繰りを内部融通で回避。運転資金の谷を連結内で埋め、清算ではなく再建へ。

連携業務 04

共同購買・物資

食材・消耗品・保険・エネルギーを束ねて調達。小規模ゆえに高かった仕入れを規模で下げる。

連携業務 05

経営・DXの共通化

請求・記録・シフトを共通基盤へ。事務の重複を外し、現場の時間を介護へ戻す。

連携業務 06

承継の受け皿

後継難の小規模法人を連結へ迎え、地域の看板とサービスを残したまま経営だけ束ねる。

未来絵図 ― before → after(試算)

束ねると、数字はこう動く

下は「地方20法人・計1,300床規模の連結」を仮定した独自推計・試算。実額は地域で変わるため、方向と桁感の目安として読んでほしい。約束された成果ではない。

指標
連結前(分散)
連結後(試算)独自推計
施設の稼働地方の低稼働を広域入居で埋める
88%需要枯れで定員割れ
94%前後+約78床の入居(1,300床規模)
欠員(介護職)共同採用・出向で融通
恒常的な欠員採用が構造的に劣勢
欠員を圧縮採用単価を集約で低減
資金繰り倒産社員間貸付で運転資金を補填
主因の約7割が売上不振小零細から先に脱落
再建型へ切替清算を回避し看板を残す
仕入れ・間接費共同購買・共通DX
小規模ゆえ割高事務が各法人で重複
規模で低減現場時間を介護へ再配分
こぼれる層軽度・在宅困難を地方の受け皿へ
入れる場所が薄い軽度・在宅困難は谷に
谷の層に居場所地方の低単価キャパで受ける

同じ人・同じ建物のまま、束ね方だけで稼働と存続が変わる。

医療も同じ構造

へき地の空白と、都市の集積

介護で起きていることは医科でも起きている。へき地は病院・診療所が住民あたりで薄く「唯一の医院が閉じると空白」、都市は資源が集積。連結は医療法人との連携にも開く。(歯科は同じ空白構造だが、本稿では補足として軽く触れる。)

7,915
病院(当社推計 2027.6)。都市に集積し、へき地は住民あたりで薄い。担い手一人の引退で空白化しやすい。
10.3万
一般診療所(当社推計 2027.6)。数はあるが偏在。過疎地は医療空白(無医地区)が起きやすい。
335
全国の二次医療圏(参考)。入院を含む一般医療の完結単位。圏を跨ぐ連携が空白を埋める鍵。

補正の型は介護と同じ:都市の医科資源を「時間貸し」でへき地へ(オンライン診療+巡回+搬送連携)、承継難の診療所を連結の受け皿で残す。医科と介護・あん摩マッサージ指圧などの在宅サービスを一つの連携面で束ね、退院から在宅までを切れ目なくつなぐ。+α(歯科):唯一の歯科の閉院で無歯科の空白が生じやすく、対処は医科と同型(巡回・連携)で足りる。

実装 ― team ONE から連結へ

どこを、どの順で束ねるか

構想を回すのは、地域を選ぶスクリーニングと、束ねる器の二段構え。team ONE で対象を抽出し、連結法人と承継の導線に載せる。

抽出

team ONE の4軸(需要×供給空白×承継母数×産業再生)で、束ねる価値が高い市区町村を全国1,740から絞る。

束ねる

連携推進法人を設立し、地方の小規模法人と都市の運営力を社員として迎える。

回す

人材融通・入居の広域マッチング・社員間貸付・共同購買・共通DXを起動。稼働と資金繰りを同時に立て直す。

継ぐ

後継難の事業は Re-Bridge で再評価・承継。看板を残したまま経営だけ連結へ移す。

数値について:本ページの数値は当社の独自マクロ推計(2027年6月時点)です。人口・高齢化・施設のアンカーを当社モデルで現在へ補間・投影し、要介護度別・地域別に按分したもので、確定値ではありません。"試算"表記は連結を仮定した独自試算。実務判断は一次統計・現地確認と併用してください。連携推進法人は社会福祉法に基づく制度です。